古典文学の魅力はのひとつは、
遠い過去の人を、感情や体験を通して
身近に感じさせてくれることですね。
…というわけで、
このたびは和漢の古典から、
私が親近感を感じた文NO.1をそれぞれご紹介。
まずは日本の古典より、第1位は
『更級日記』
はしるはしる、わづかに見つつ、
心も得ず心もとなく思ふ源氏を、一の巻よりして、
ひともまじらず、几帳のうちにうち臥して、引きいでつつ見る心地、后の位も何にかはせむ。
昼はひぐらし、夜は目の覚めたる限り、灯を近くともして、
これを見るよりほかのことなければ、
おのづからなどは、そらにおぼえうかぶを、いみじきことに思ふに……
その気質の方ならば、身に覚えの無いはずが無い、
焦がれてじりつくあの青春の1ページがトップに躍り出ました!
それにしても、書き方が見事ですよね。
「物語読みってこんなかんじだよねー」っていう共通見解が
孝標女の周りにもあったのかな。
つづいて、中国の古典から。
『伝習録』
孟源、自ら是とし名を好むの病有り。…[略]…
一友自ら日来の工夫を陳べて正を請う。
源傍より曰く、「此れ方に是れ源の旧時の家当を尋ぬ」、と。
先生曰く、「爾の病又発す」、と。
源、色変じ、議擬して弁ずる所有らんと欲す。
先生曰く、「爾の病又発す」、と。……
・・・・・・・・・・・・[私語訳]・・・・・・・・・・
孟源は、いつも自分が正しいと思い、
またプライドが高すぎるきらいがあった。……
あるとき、弟子のひとりが
先生(王陽明)に、
日頃の修行に関する質問をしていた。
すると、そばで聴いていた孟源が、
「ホラ、それ、俺が前にすでに考えてたことおんなじことだから!!」
と口を挟んだ。
すると先生は、
「そういうとこだぞ」と言った。
孟源はあわてて顔色を変え、何か弁解をしようした。
すると先生は、
「そういうとこだぞ」と言った。
…………先生「あのな。畑に良い実りをもたらそうと思ったら、
耕してばっかじゃなくて、
畑に根を張って日光を遮ってる樹を除かなきゃダメだかんな」
その気質の方なら、悲しいかな身に覚えのある、
または、身近な誰かを想起せずにはいられない、
切ない人間の性を説く一節が優勝です!
ごめんねえ!!自分の感情や体験がもっとも身近なばっかりにね!!!!