そでふり灯籠

灯籠やあかりを集めています

*鳳凰山と山奥の灯り

灯籠の写真は無いのだけれど、
灯り好きに大きな影響があったと思われるので
書いておきたい。

2009年の8月末、鳳凰山に登った。
青木鉱泉から登っていくコースで、スタートは13:00近かった。

もともと体力は無い方で、この頃はまだ登山にも慣れておらず、
しかも、この日はあまり体調がよくなかった。

最初の高度稼ぎで、初めからヘトヘトになってしまい、
中盤から足をしょっちゅうツるようになった。

山小屋にまだつかないうちに、日が暮れ始めた。
日が沈むと、とても寒くなった。

まっ暗い中、古いヘッドライトの灯りを頼りに
ルート標識を目指して進んだ。

一度、進む道を間違えて、
がけ崩れを起こした場所に踏み込んでしまうところだった。
同行者は、なんならビバークすればいいと繰り返し言ってくれたが、
もう励ましも素直に受け取れない精神状態。


… と、遠くにぼっちりと、
星のように小さな白い光が見えた。


灯りだ、山小屋だ、と頭は歓喜。
それでも、体は変わらずぐったり。
(光の正体は、確かソーラー充電のライトか何かだった。)


無人の鳳凰小屋は、幸いカギは掛かっておらず、
同行者と一緒に2階に登って、
屋根裏から布団をひっぱり落として、
寒気の中、ようやく眠りにつ……

つけない。こういう時は疲労で寝られないものだ。
目を閉じると、ガクッと落ちそうな夢を見る。

翌日、地蔵ヶ岳をフラフラになりながら登った。
ようやく登頂を果たして、綺麗な景色が眼前に広がるももう限界で、
同行者も縦走はあきらめて、下山してくれた。

 

… とまあ、道はつらかったのだけど、
まるで昔話のような
”暗い山道で迷い、遠くにポツンと灯りが見える”という
シチュエーションを経験できたことは
本当に貴重な経験でした。

登山の計画は決して無理のなきよう。

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