そでふり灯籠

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『菅笠日記』と蜻蛉の滝

本居宣長の著書に『菅笠日記』という、
松阪から吉野に行って帰ってくる旅行記があります。

その中の、「蜻蛉の滝」へ至る行程を検討したことがありました。

で、その検討結果ですが、他に使い道もないのでここに公開します。
これで合っているとすれば、宣長はとてつもなく詳しく道程を記録してたんだと呆気にとられました。
あと、めちゃくちゃ歩けるよ、昔の人。
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① 吉野の西行庵から青根ヶ峰を経由し、稜線の上を歩いてくる。「うちはれたる山の背を。つたひゆくほど。いと遠し。」(『菅笠日記』)
② 稜線を外れ、そのまま現在「旧吉野街道」と呼ばれている道に入る。(現在も山歩きで使われるらしい。)
③ 現在「西河分岐」と呼ばれる場所から西河の里に降っていく。「さてくだる坂路のけはしさ。物にゝず。されどのぼるやうに。くるしくはあらず。此坂をくだりはつれば。西河の里也」。ここで紙漉きを見る。
④ 南へ歩く。「さて右の方へ三丁ばかり。里をはなれ行て。」
⑤ ここで登場する“板橋”は、現在のあきつの公園にある橋と同じ場所にあったのだろうか?一度目は渡らなかったようである。「谷川にわたせる板橋のもとよりわかれて。」
⑥ 東へ折れ、山の谷間を超える。「左へいさゝかのぼり。山のかひを。あなたへうちこゆれば。すなはち大滝村也。此間は五丁ばかりもあらんか。」
⑦ 大滝を見る。
⑧ 再び山の合間を超え、西河方面へ引き返す。「かくて又里の中を通りて。西河のかたへかへり。」
⑨ 今度は板橋を渡り、山を登って蜻蛉の滝を見る。「さきの板橋をわたりて。石のはしを一町ばかりものぼり。こしげき谷かげを分入て。いはゆるせいめいが滝を見る。」
⑩ 蜻蛉の滝を見る。
⑪ 西河の里へ引き返し、けさ里へ降りてきた山道を今度は登る。「かの里にかへりて。又けさくだりこし山路にかゝる。けさはさしもあらざりしを。のぼるはこよなくくるしくて。同じ道とも思はれず。」
⑫ 峰の方へ戻り、宮滝方面へ向かう。「さてのぼりはてて。右につきたる道へわかれて。」

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